2024/06/14 UP
こんにちは!サトミンです。
6月に入り、大手企業含めて選考を受け切り、内定が出揃った方も増えているのではないでしょうか。
一社に決めきるって、とても覚悟のいることですよね。
「こっそり2社内定承諾しておいて、その後の対応が良い方に行こう」
「実は納得いってないけど、とりあえず保険のため1社内定承諾しておいて、就活を続けよう」
もしそんなことを考えていれば、ぜひ一度、この記事を読んでみていただきたいです。
私たちパフは、企業の新卒採用の支援も行っていますので、企業の採用担当の皆さんのお悩みをたくさんお伺いします。
その中のひとつで、採用担当の頭を悩ませ、心をすり減らしているのが「内定承諾後の辞退」です。
これは個人的な感覚ですが、残念なことに、年々増えているように感じます。
企業側も内定承諾後の辞退も見越して内定を出しているからいいだろう、と思いますか?
実際、必要な人数入社してもらうためにそのような対策を取られている企業もあります。
しかし、あくまでそれは承諾後辞退が止まらないから…という苦渋の決断なのです。
どうか学生の皆さんには、「内定承諾」の意味を正しく理解し、企業と真剣に向き合ってほしいと願い、本日は以前書いた「【STOP!内定承諾後辞退】内定承諾後の辞退は、モラルに反する行為です。」という記事をリライトしながら書いていきます。
内定承諾後の辞退に関して
内定承諾後(内定を承諾することを口頭で伝えたり、内定承諾書を提出したりした後)も、
内定を辞退できる!というのは、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
私も今回このテーマを書くにあたって、いろいろと検索をしてみたら、
「内定承諾後も辞退できる!内定承諾書に法的拘束力はありません」
「内定承諾した後に、第一志望の会社から内定が出ました。どのように辞退すれば・・・」
「内定承諾後の辞退を穏便に済ますには」
などなど。え?そんなニーズある?ってくらい、内定承諾書の法的拘束力のなさや、
どのような手段で、何て伝えればいいのか、細かく書いた記事がたくさん出てきて
愕然としました。
気になる方、辞退する方法を調べていてこの記事にたどり着いてしまった方は、
ぜひこちらを最後までお読みいただいてから、改めて手法を検索いただければと思います。
ご存じの通り、内定承諾書に法的拘束力はありません。
あくまでも、内定を承諾する意思を示したものでしかありませんので、
辞退したからといって訴えられたり、法律違反になったりはしません。
「辞退します」というメールや電話一本で、その事実は簡単に覆すことができます。
つまり、「内定承諾後辞退をしてはいけない」という考えは、モラル、倫理観、道徳的観念でしかないのです。
ただし、例えばこんな時、どう思うでしょうか。
Aさんと婚約をした2週間後に、より年収も高くスペックの良いBさんにプロポーズを受け、
やっぱりこっちの方が条件がいいからと、Aさんとの婚約を破棄し、新たにBさんと婚約したとします。
あなたがBさんだったら、そんなパートナーと生涯一緒にいたいですか?
そんな人と結婚して幸せになれるでしょうか?
あなたがAさんだったら、どれほど傷つきますか?
いやいや、まだ口約束だったんだから別に断ってもいいでしょ、と思いますか?
「内定承諾をしたけど、就活を続けていたらもっといい条件のところから内定が出て内定承諾を取り消そうか迷っている・・・」
などという相談を受けたら、私は間違いなく迷いなくNOと答えます。
大学3年生頃に急に「就職活動」という関門が現れ、初めての経験を通して半年や1年そこらで
多くの人にとって人生で一番大きな決断を、初めて自分自身でしなければならない。
自分の思い通りに企業の選考が進むわけでもないし、ましてや企業ごとにスケジュールも違う。
全部やりきったうえで選びたい気持ちや、これからの人生における大きな決断を
時間をかけてしたい気持ちも、十分に理解できます。
それでも、内定承諾後に辞退をすることは、モラルに反する行為だということを、ぜひ知っていただきたいです。
もしかしたら、そんなこと知らなかった!という人もいるかもしれません。
「企業も内定承諾後の辞退もある程度想定して内定を出している」いるという記事もありますし、
「とりあえず承諾書を提出して保険にしておくのが当たり前」だと先輩からアドバイスを受けた人もいるかもしれません。
「就活を続けてもいいから、うちに入社する気が1ミリでもあるなら承諾書を提出してほしいと人事に求められた」ことも、もしかしたらあるかもしれません。(これは企業側にも大いに責任があると思います)
しかしながら、それは、すべての会社に当てはめていい基準ではありません。
承諾後辞退をする学生だけが悪いと思っているわけではありませんが、
少なくとも、裏切る行為であることを、自覚して欲しいと思います。
内定承諾というのは、大人と大人との約束です。
もちろん、世の中何が起こるか分かりませんから、やむを得ない事情があったら仕方ありません。
「家族の事情でどうしても地元に帰らないといけなくなった」とか「内定承諾前に聞かされていた話が嘘だった」とか、自分の力ではどうしようもないことや、企業に対する不信感が募ってしまうことはゼロではないと思います。
そのときは勇気と誠意を持って、採用担当と向き合って、辞退の連絡をしてください。
・・・ここまで、モラルというふわっとした概念でお伝えしましたが、
実際に、内定承諾後の辞退は、採用担当やほかの学生を困らせています。
まず、企業にも人員計画があります。
採用人数30人もいるんだし一人くらいいっか、と思っていませんか?
そのように思う人が3人いれば、1割です。十分に困ります。
採用規模の問題ではありません。
100人採用していても、10人に1人がそのような考えを持ってしまえば、かんたんに90人まで割り込んでしまいます。
また、部署や地域ごとに配属想定をしていたり、皆さんの専門性に合わせて、計画的に採用を行っている会社もあります。
学生からすると、企業側はたくさん学生を集めて落とすだけ、と思っているかもしれませんが、そんなことはありません。
学生と出会い、自社のことを好きになってもらい、自社で活躍できそうな学生に入社してもらうことに、たくさんの時間とお金をかけ、想いをもって採用活動を行っています。
また、承諾後の辞退によって採用予定数を割ってしまった場合、再度募集し採用に至るまでに平気で1~2ヶ月くらいかかります。
また、最終選考で社長や役員の面接がある場合、その日程調整などは、本当に大変なのです。
次に、学生視点で困る話です。
あなたが内定を承諾する(=入社の意思を決める)ことで、選考を不合格となり、
その会社へ入社することが叶わなくなった方がいます。
この事実は胸に刻んでいただきたいと思っています。
長い間、内定承諾の回答を保留する(期限を延長する)ことも、同じです。
入社を決めてくれるかもしれない人がいる限り、その後選考に来る学生は、不合格にせざるを得ないのです。
あなたが入社しないのであれば、ほかの入社してくれる可能性がある方に合格を出したい。
だから、内定承諾の期限というものがあるのです。
自分が当事者だったらどうでしょうか。
第一志望の会社の最終面接後、企業としては能力や素質、マッチング度は高いと思っているが、
すでに内定を出している人たちの結論が得られないために、あなたが不合格になってしまうことを
想像してみてください。
嫌ですよね?
最後に
この記事は、内定承諾後の辞退を考えているタイミングで読まれることが多いとは思うのですが、
願わくは、安易に内定承諾をすること・承諾後の辞退をすることを考え直してくれるきっかけになってくれると嬉しいです。
最後に、パフが学生さんにいつもお伝えしている、言葉をお贈りして締めたいと思います。
大切なのは、どの道を選ぶかより選んだ道をどう生きるかよ。
~ ブリジット・バルドー ~ (1939年~フランス 女優)
An important one is how to live through the way chosen from which way to choose.
人生の岐路において、正解はありません。
大切なのは、自分で選び、選んだ道を正解にしていくために努力することです。
その気持ちと覚悟を持って、振り返ったときに正解だったと思える一社に入社されることを、心から願っています。
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