人事インタビュー
株式会社ヨコソー
川部 高志、軍司 彩里、高浪 悠太
マンション・集合住宅・公共施設等の大規模修繕工事を事業領域とし、「直す」ことに特化した、「建てない建設業」である株式会社ヨコソー。高浪さん(2024年入社)と軍司さん(2023年入社、人事担当)は、そもそも「建設業」に興味があったわけではない、といいます。お二人の体験談と、彼らを採用した人事責任者・川部さんのお話から、「就活の入口」について考えてみましょう。
軍司: 高浪さんは就活するとき、最初から業界とか決まっていました?
高浪: いえ、決まっていなかったですね。初めは「業界を決めなきゃ」と思ってすごく迷っていたのをよく覚えています。文系ということもあって、周りからよく聞くIT・銀行・商社・・・といった流れに乗り、とりあえず大手有名企業にナビでエントリー、という感じでした。
軍司: どうしてそこからヨコソーに?
高浪: たまたま知った職サークルの「1on1パーソナルトレーニング」という、社会人訪問ができるプログラムに参加したことが、ヨコソーを知るキッカケでした。人事の川部さんと面談して、とにかく形式ばらずに自分の話をちゃんと聞いてくれてるって思いました。その後、会社や仕事の話を聞いて、それまで全く興味がなかった建設業のイメージがちょっと変わったんです。建物を建てる、じゃなくて直して維持する、そんなのもあるんだ!面白そうだな!と。
川部: 実は軍司さんも同じプログラムに参加したのがキッカケだよね。
軍司: そうなんですよ!わたしは農学部だったから食品系や化粧品系しか考えていなくて。周りもみんなそうだったから自分もそうするものだという思い込みがあったんです。でも、本当にこれでいいのかな?と漠然とした不安を抱くようになって。そんな時にお会いしたのが川部さんでした。いろんな相談に乗ってもらっているうちに、もっと力を抜いて、自分の人生なんだから自分の行きたいところに行けばいいんだなと、考えが変わっていったんです。
川部: そういえば、軍司さんとはほとんど会社の話なんかしてなくて、就活を含めた”人生相談”みたいな感じだったね。(笑)
川部: 建設業って少し日常生活からは遠いし、とかくネガティブなイメージも持たれがちなんだけれど、二人はそのへんをブレイクスルーしたポイントって何だったの?
高浪: 僕の場合は、ヨコソーとの出会いをきっかけに「建設業」への興味が生まれて、そこからいろんな建設会社を見て回り始めたんです。でも色々見てみた結果わかったのは、「建設業が面白そう」なんじゃなくて、「ヨコソーが面白そう」だということでした。現場見学なんかもさせてもらって、建設業のイメージをガラッと変えてくれたということもあってか、何か心が躍ったんですよね、ほとんど直感に近いものがあるんですけど。
軍司: 私も建設業にはそもそも全く興味がなくて、ヨコソーに出会った後も、他の建設会社は一切見ませんでした(笑)。会社の色々な話とともに、川部さんから、「将来、人事担当者として活躍してほしい」という想いを聞いて、業界ではなく「仕事」そのものへの興味と、「ヨコソー」という会社自体に魅力を感じていきました。実は、某地方テレビ局から内定をもらっていたのですが、最終判断するために確認したかった色々な質問に対して、ヨコソーは会社の情報を包み隠さず話してくれた。信頼できる会社だと思ったし、そういう姿勢の会社のほうが自分には合うなって感じて、最終的に入社を決めたんです。
川部: 就活シーンでは、ともすれば「まず業界を絞る」というアクションから入るのが正攻法のように言われがちだけど、二人はいまどんな風に感じてる?
軍司: むしろ早い段階では決めないほうがプラスになるのではと。アンテナを張っていろんな会社を自由に見て、興味が持てたら飛び込んでみるのがいいと思います。
高浪: 自分は業界選びに悩む中で、周りの意見やお勧めに流されてばかりいましたが、運よく川部さんとお話して、それがいい意味で崩れたことが大きかったです。やっぱり決めつけないことって大事なんだな、と思っています。
軍司: 「行きたい業界が決まらない」ことが足かせになって、就活がなかなか踏み出せない、というのは就活生によくある悩みだと思いますが、川部さんならどう答えますか?
川部: まず、手の届くところから動いてみてほしい、ということかな。業界が決まらないからって何もしなければ、ずっと悩み続けることになるよね。ぐるぐるずっと青い鳥を探す感じになっちゃう。それよりもまず、業界問わずにインターンとか会社説明会、いろんな就活イベント、なんでもいいから一歩動いてみて、その中で「面白いかな」とか「ちょっと違うかな」って感じたことを記録して、共通項を探してみることは、とってもいい自己分析になると思う。好きとか興味だけじゃなく、どんなときにモチベーションが上がるのかとか、どんな時に感動するかとか、どんなときに心が動くのか、ということを言語化しておくことがすっごく大事。
川部: そして、そうやって言語化したものって、就活初期だけじゃなく、入社するたった1社を決める最終決断の場面にも大きくかかわってくる。絞り込みが肝心なのは、実は最初じゃなくて最後だと思うんだよね。「大事なもの」は、人それぞれの個性や生育環境、それまで受けた教育など、バックグラウンドや価値観などによって異なるし、それはもっと個性的であって良いと思う。他の誰のものでもないはない、自分自身の内発的動機(モチベーションやエンジン)に、一人でも多くの学生に気付いて欲しい。
踏み出す最初の1歩に困っている方は、ぜひお話ししましょう!
業界にこだわりなく入社してしまったら、入社後にギャップやミスマッチで苦しむことはないのだろうか?
実際にヨコソーに入社して、軍司さん、高浪さんがいまどう感じていらっしゃるかを聞いてみました。
【軍司さん】
実は、入社前に川部さんだけでなく、本社で働く先輩社員の方々ともお話をする機会があって、その時の悩みなどを聞いてもらったことがあります。ヨコソーの社員はみんなすごく優しくて、「ここなら大丈夫かな」と思えました。それは今も感じていて、周りの人たちがすごく優しく、親身になってくださるので、働きやすい環境だなと実感しています。人事の仕事でいうと、楽しいながらも、一人採用するのもこんなに大変なんだ!という難しさも実感しているところです。でも、だからこそ自分が最初から最後まで面談やサポートをした学生さんが入社してくれたら、きっとすごく嬉しいんだろうな、そこでやりがいを感じるんだろうなと想像しています。
【高浪さん】
それこそ学生時代は、建設業=3K(キツイ、汚い、危険)、現場には怒号が飛び交っているようなイメージを持っていました。今は先輩社員のもとで、現場にも行くのですが、そういうことは全くなくて。見た目がいかつい職人さんでも、話してみるとかわいい一面があったり、逆に良い意味のギャップがどんどん増えているところです。正直なところ、体力的にキツイ場面はもちろんありますけれど。
お二人の共通点は単に「業界で絞らなかった」ということではなく、「業界がわからない中でも、一歩踏み出すアクションをした」ということが大きなポイントではないでしょうか。
そして、入社前にコミュニケーションをとって、しっかり職場環境や雰囲気について確認をしたからこそ、入社後もギャップなく活躍できているように感じました。
※川部さん、軍司さんに会えるイベントはこちら!
(詳細は職サークルイベントページをご覧ください)
・KAWABE’S 就活GYM(川部さんと1対1で辛口フィードバックがもらえます!)
・1on1パーソナルトレーニング(職サークルスタッフとの面談後、ヨコソーさんにWeb社会人訪問ができます!)
★★★ 取材班の気づき ★★★
「建てない建設業」。「直す」に特化し、マンション・集合住宅・公共施設等の大規模修繕工事を事業領域とするヨコソーさん。仕事内容がわかりにくいこともあり、選考中の学生さんには高浪さんもご参加されたという「現場見学」を案内しています。そして川部さんのこだわりは「人事は絶対に一緒に行かない」こと。「現場社員には、何を話してもいいよ、とお任せしています。学生さんにはできる限りリアルを知ってもらいたい。例えば、職人さんって下請けのイメージがありますが、当社の場合は関係性がフラット。また怖いイメージもあるかもしれないけど、修繕という仕事柄か、長く使ってもらうために丁寧で真面目に仕事をする人が多い。百聞は一見に如かず、先入観で決めないほうがいいということが伝わるといいなと思っています。」とのこと。
また、ヨコソーさんではウェルビーイング(健康経営)を3年前から推進。経済産業省「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」の認定ももっており、昨年度からは神奈川県のモデル事業として様々な社内データを収集し、公表しています。視覚化が難しく指標があいまいな「働きやすさ」「その会社で働くことの価値」に繋がっていくのではないかと期待しているそうです。川部さんはその取り組みの窓口担当でもいらっしゃって、「会社のダメなところもさらすことになる可能性もあるけれど、さらすことで会社がよくなっていくはず。そんな風に考えています。」とのこと。「素のまま誠実に向き合う」というスタンスが、あらゆる側面で体現されているのがヨコソーさんという会社なんだなと、改めて実感しました。