人事インタビュー
三菱電機ビルソリューションズ
高橋 眞実(本社・採用部長)
現在、新卒採用の責任者として辣腕を振るう高橋さん。学生にとっては遠い存在に思えるかもしれませんが、高橋さんもかつては就活生でした。「みんなが行きたい人気企業に行くのは、自分っぽくないと思っていました(笑)。あとは、自分が存分に活躍できる会社がいいなと」。そんな高橋さんが魅力を感じて入社を決めたのが、「学生には知られていないけど、実は社会人には有名で、優れたビジネスモデルを持つ」、三菱電機ビルテクノサービスでした。
入社後、高橋さんは、総務、広報、人事などバックオフィス部門一筋にキャリアを積み重ねていきました。「店舗や工場があるわけではなく、営業やエンジニアがお客様の所へ伺ってサービスを提供するというのが当社の事業。人がすべてであるため、社員を支えるバックオフィス業務が極めて重要でその使命も重い。そうした誇りを胸に一つ一つの仕事に打ち込みました」。
高橋さんの仕事の流儀を形づくった経験の一つは、30代前半で任された事務OAプロジェクト。スタートした当初は高橋さん一人のプロジェクトだったそう。しかし、小さなトライアルを繰り返し、社内の理解者を増やして、やがて経営陣へのプレゼンの機会を自らつかみとり、社長のゴーサインをもらって、ついに、投資額1億5千万円のプロジェクトへと成長させました。「会社を俯瞰してみて、目的のために何をするのがベストか考えながら、社内のセクションの垣根を越えて成果を上げていく。そんな仕事の進め方をこの時つかみました」。
高橋さんの今のミッションは、10年後、20年後、会社で活躍する人材を採用すること。「まさに会社を俯瞰し社内の部門を越えて進めていかなければ達成できない仕事です。プレッシャーは大きいですが、会社の浮沈を握る重要な仕事を任されていることに醍醐味を感じます」。
採用担当部長として高橋さんが大事にしていることは、学生にとってプラスになる採用活動をすること。「私たちと接することで、少しでも成長できたと学生に感じてもらえればと思うのです。だからこそ、採用グループのメンバーには、学生の皆さんに対し、上から目線で接したり、逆に迎合したり媚びたりもするなと伝えています。学生がおかしいことを言っていたら叱責するし、すごく悩んでいたら、テクニック的な部分ではなく、本質的な部分でアドバイスをする。それが、社会人の先輩としての責任だと考えています」。
最近、高橋さんが学生と接していて感じていることがあります。それは、「就職についてあまり深く考えていないのでは?」ということ。「受からなかったらどうしよう、と心配するだけで、受かった後のことは考えていない。本当は入社後、自分がちゃんと活躍できる会社を選べたのかが一番重要なのに…」。
就活時、「自分が活躍できる会社」を選び抜いた高橋さんの言葉には説得力があります。「就活を入社のための活動とせず、社会人になるための大切な準備と捉えて活動することをおすすめします。入社前に『よし、社会人としてやるぞ』と心構えができている人と、『入社してから考えよう』という人では、その後のキャリアにかなり差がついてきます。ぜひ就活中にいろんな社会人と出会って、学び、自分を鍛えてください」。
子どもの職業選択をサポート
高橋さんは3人の子どもの父として、子どもが「○○になりたい」と考えたときに寄り添ってサポートしています。「長男が薬剤師を目指していたときは、薬剤師の方を探して、一緒に話を聴きに行きました。また、長女が水族館で働きたいと言い出したときは、鴨川シーワールドに行ってスタッフの仕事ぶりを見せた。そしたら長女は『これは私のやりたい仕事ではない』と(笑)。今、高2の次男が消防士になりたいと言っているので、今度は消防士の方に話を聴きに行こうと思っています」。将来の「働く」を具体的にイメージすることの大切さを知る高橋さんだからこそのサポートぶりです。
設立から65年。昇降機のメンテナンス事業では日本の業界トップを走り続けている三菱電機ビルテクノサービスさん。社員数1万人に迫る大企業ですが、高橋さんのお話を聞いていると、社員とも学生とも真正面から向き合い、思いやりを持って接していらっしゃることが伝わりました。
面接で会う学生の数は、年間1,000人以上。それでも、一人ひとりの成長を願う高橋さんの想いは、きっと学生にも伝わっていると思います。「面接官」ではなく「社会人の先輩」と面接ができる会社って、ステキですね。