人事インタビュー
株式会社パフ
吉川 安由(代表取締役社長)
職サークルの学生向けイベント「就活ワークアウト」の中に「キャラde就活」という人気プログラムがあります。
人間と同じように、企業にもそれぞれの人格(キャラ)がある!ということで、今回は、企業の採用支援と学生の就職支援を事業とする人材会社・株式会社パフの吉川社長に、自社をキャラクターにすると?ということで、絵を描いていただきました!
さて、パフさんのどんな「人格」が見えてくるでしょうか。
ーーこの、いかにも昭和チックな中年男性って何者です?
いまの若い子たちは知らないのかなぁ。ふうてんの寅さんですよ。キャラ化のメインビジュアルで、真っ先にイメージが湧いたんです。山田洋二監督の「男はつらいよ」という昭和の名作、知りませんか?
ーー失礼しました。。この「寅さん」はパフのどんな面を表現しているのですか?
「東京なのにローカル」で、ちょっとダサいけど「ピュア」さを持っている。あちこち旅をしていて一つのところに安定していないけど、フットワークが軽くて人の心にスッと入り込むのが得意。企業としてもちろん利益追求はしたいんだけど、やっぱり「理念追求」な会社で、清濁併せ飲めない感じ。
ーー令和の時代に、義理人情?って感じですね。
そうなのかもしれないですね。「パフだけが儲かる」とか「パフだけが嬉しい」ではダメで、「お客さんもパートナーさんも学生さんも嬉しい状態をつくるには」を目指している社員の集合体なんです。「お客様は神様です」って言うじゃないですか。でも「お客様は同志」なんです、うちは。「学生と企業が対等な就職活動を」って訴えている会社なので、「パフとお客様も対等かつ同じゴールを目指すべき」。そういう考えなんですよね。
ーー同じフィールドで戦う同業他社の中で、No.1を目指そうっていう気持ちはないのですか?
競合企業も、ある側面からみればパートナー企業。各社それぞれの特徴があり、我々とは持ちつ持たれつの関係だったりします。「会社が儲かるためなら、相手を出し抜いてでも勝てばいいじゃん」って考え方もあるかもしれないですが、うちはそういうことができない義理人情を重視しちゃう不器用な会社なんです。
ーーどうしてそういう社風になったと思いますか?
社風って、偉い人の意思決定の基準に現れると思ってるんですよ。社員から相談を受けた時にどんな基準で判断するかが、文化や風土をつくっているんじゃないかなと思っていて。パフでは「本当に学生が納得いく就職に繋がってるのか」ってことが一番大事で、これはパフの偉い人のみならず、社員の誰が判断する時でも絶対一位に来る項目なんですよね。
ーー想いが強い分、常に「もっと」を目指していると安定性に欠けますよね?
そうなんです(笑)「こうやっとけばいい」っていうものがないですね。パフの仕事には、絶対的な正解やゴールがない。だから会社として仕事の仕方に安定性はないですね。ただ、逆に個人としての経験値やその場での対応力が高くなり、社員一人ひとりのビジネス社会で生き抜く力(という意味での安定性)はあがっていっています。
ーーこの寅さんが持っているのは「飴と鞭」ですか??
はい、パフの教育面を表したつもりです。主体的に「学びたい」と言ってこない奴には教えん、っていう風土があるんです(笑)逆に、自ら知りたい・学びたい・成長したいという意欲があって、何か自分で調べてる人への教育やサポートはすごくやるんですけどね!「背中を見て育て」的な職人気質な風土かもしれないです。
ーー相当な覚悟がないとツラそうですね。パフさんっていい会社そうなのですが、気軽に勧められない感じが。笑
ほんとそうなんです。人の好き嫌いがはっきりしている社員が多いですね。
ーーまさに職人っぽいですね。パフさんに合わない人って、ズバリ、どんな人でしょうか。
自分の弱みを見せない人。これはパフではツライですね。職人気質なんだけど、結局は助けたがりなんです、みんな。だから、自ら弱みを見せられないと周りから助けてもらえず孤立していくという...。
ーー寅さんのパーソナリティーが見えてきた気がします。
凹凸、伝わりました?
ーーはい!そんな寅さんが向かうのはどこなのでしょうか?
星ですね。パフは明るいイメージを持たれることが多いですけど、燦燦と輝く太陽ではないのです。太陽は皆を引っ張っていく感じがありますが、星のように静かに見守るイメージ。さらに言えば、「向かう」というより「星そのもの」。パフが目指す世の中が「当たり前」になったなら、我々は星となり消えればいい。つまり、パフが不要になる世界を創ることが私たちの理想なんです。
ーー具体的に、パフさんが目指す世の中ってどんな姿なのですか?
ひとつは「Face to Face」、一人ひとりの顔を見ながら企業も学生も丁寧に向き合うということ。次が「Heart to Heart」、心の顔も見せて学生も企業も互いにいいところも悪いところも伝え合いましょうということ。最後が「Face each other」、顔を背けないでちゃんと考え抜いたうえで採用するかどうか・どこで働くかを決めてくださいね、という意味。そんな就職と採用が実現されている世の中を目指しています。
ーーそれが、事業ポリシーの「顔の見える就職と採用」に込められた想いなんですね。
そうですね。創業以来ぶれずにやってきたことですので、これからも大事にしていきます!
20年前、吉川さんが入社した創業間もないパフでの一コマ。
創業者である釘崎さん(代表取締役会長)に「"顔の見える"ってなんですか?」と質問したら「顔の見えるは顔の見えるだ!」と哲学的な返答があったそうで。それ以来「顔の見える」を吉川さんなりに咀嚼し解釈したのが、「Face to Face」「Heart to Heart」「Face each other」なんだそうです。言葉が洗練された感じ、素敵ですね!
企業の特徴や凹凸を表現したくて企画した、今回の企業インタビュー。職サークルのイベントでも、企業の特徴をキャラ化させるワークショップ「キャラde企業研究」を開催しています。「面白そう」と感じていただけたら、ぜひそちらにも足を運んでみてくださいね!