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内定が1社しかない(大学4年・男子)

2020/06/02

■今回のお悩み■
周りの友人は内定を何社も持っている人が多い中、まだ一社からしか内定をもらっておらず、不安です。(大学4年・男子)

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まず、「内定の数=勲章」ではありません。
たくさん内定を取っている人が偉いとか、優秀だとか、いい会社に入れるとか、そんなことは全くありません。

自分の話で恐縮ですが、私自身、内定をいただいたのは1社のみでした。その1社が今所属している株式会社パフです。そして今、わたしは毎日「本当にいい会社に入ったな」と思いながら働いています。

私は地元が四国で、「東京で就職したい!」という気持ちが強い就活生でした。はじめは、勤務地が東京という軸のみで就活し、とにかくいろいろな会社に出会うため業界も絞らず、多くの会社にエントリー。日程の都合がつく限り、説明会・選考に進んでいました。
そうやって「やみくも」に過ごしていると、私がなりたい社会人像や、どんな環境でイキイキ働けるのかなど、より深い軸が見えてきました。そして、自分と合う会社、合わない会社というのがだんだん分かってきたのです。

そのため、パフから内定をもらう前後で、他の会社は最終面接前に辞退しました。選考を受けていく中で「何か違うな」と感じ「仮に内定が出ても入社しないだろうな」と思ったからです。

もちろん、複数の会社を併願するので、内定が複数出ることもあるということを理解できます。私も複数の会社を同時に受けていました。ただ、内定をもらっていても入社する意思があまりないのに保留にし、長く決断しないというのは、違うのではないかなと思います。
「行くかどうかは分からないけどとりあえず内定出たところを全部比べたいから待ってほしい」では企業も困ってしまいますよね。

どう困るのかは、ベテラン社員に聞いてみましょう!

企業側の都合なんて知ったこっちゃないと思う人もいるかも知れません。
しかし、少し聞いてください。その「自由」の主張が、他人に迷惑をかけることもあるのです。

昨年、こんなことがありました。

私は某準大手企業の採用支援をご支援させていただいています。この企業が、内定の通知を開始しました。しかし、内定を出した人はすべて他社の内定を持っている方たちでした。中には「すでに4社から内定をもらった」という人もいました。

人事担当者の方が学生さんに「どの会社に行きたいと思っているのか」聞いてみたところ「まだ分かりません」という、内定承諾とも辞退とも取れない回答ばかりでした。
「いつ決断するのか」「当社に入社したいという思いはどのくらいなのか」という趣旨の質問をしても、答えは「分かりません」でした。

この企業ではその後、内定を出した人の半数以上が、数ヶ月保留にし「第一志望に受かったので」「他の会社に行きます」と辞退をしていったそうです。

人事担当者の方は悩んでいます。

・今の内定者が全員承諾すれば、採用枠はいっぱいになる。
・その可能性があるなら、これから最終選考を受けている人に対して不合格を通知したり、選考結果を保留しなくてはいけない状態になってしまう。
・とはいえ、内定者が悩むのも分かるので「今すぐ決めろ」とは言えない…でも、いつまで待てばいいのだろう…

皆さんはどう思いますか?
皆さんにはもちろん、会社を選ぶ権利があります。
しかし、その権利を主張して、他人に迷惑をかけてもいいかというと、そうではないはずです。

皆さんの周りで「内定を沢山とる」ことが目的になっている人がいたら、是非、このように語りかけてみてください。

・その会社、本当に入りたい会社ですか?
・落ちた人、選考結果待ちの人の気持ちになって、考えよう
・入社意思がないのに、内定を保持することはやめよう
・結論を先延ばしにせず、自分で考え、決断しよう

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結論!

「内定の数=勲章」ではない。
企業は誠実な採用活動を、学生は誠実な就職活動を。

もちろん、この問題に関しては学生側だけでなく、企業側にも誠実な対応が求められています。オワハラは論外ですし、学生の皆さんには企業を選択する権利があります。
内定をだす/内定を承諾するというフェーズにおいては、本当の理想は
・その会社に本当に入る覚悟を持つ人だけが、内定をもらう
・本当に自分を必要とする企業から声がかかる
そんな状態だと思います。
一人でも多くの人がそんな素敵な「内定」に出会えることを心から願っています。

☆今回の執筆者/里見 瑛梨奈(さとみ えりな)

新卒2年目(サトミって…?)

愛媛県出身、医療系大学出身のリケジョ。

☆☆職サークル通信編集長/清水 真理(しみず まり)

福岡県出身、新卒で入社し現在7年目(シミズって…?

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