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売り手市場だから、大手有名企業に入りやすい?(大学3年・男子)

2020/02/04

■今回のお悩み■
あまり実感はないのですが、売り手市場だから就職活動がラクって本当ですか? また、それなら大手有名企業にも入りやすいということでしょうか。 (大学3年・男子)

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まず事実から言うと、ここ数年は確かに売り手市場です。そして私自身も売り手市場のときに就活をしていました。でも私は「売り手市場だからいいね。」と言われるの、とっても嫌でした。

だって、最初で最後の新卒での就活、初めてのことだらけで、こっちは一生懸命なのに、売り手だからラクでいいよな、とか言われると腹が立ちませんか?
そもそも私は、売り手市場を実感したことは一度もありません。だって、2回経験するわけじゃないから比べられないし、求人倍率という数字だけをもって売り手市場と言われても、全く実感わかないんですけど…みたいな。

「売り手市場」というのは、就職を希望する学生の数を、求人数が圧倒的に上回っているという状態です。ただ、だからといって就活がラクにできるというのは違うかなと思っています。なぜなら、就活のゴールは“就職をする”ということそのものでもないし、内定をたくさんもらうことでもないからです。だって、入れればどこの会社でもいい!という人は少ないですよね?

何をゴールとするのかは人それぞれですが、私は自分に合った会社に入ることが大切だと思っていたので、ラクだと思う瞬間はありませんでした。
選択肢がたくさんあることは幸せなのかもしれないけれど、その中からどこに行くのか判断しないといけない。どちらがいい、というのはありませんが、就職しづらい時代の方が、複数社から選ぶ決断をしなくていいという点では、ラクと言えるかもしれません。どちらにせよ、この会社に入って頑張ろうという「覚悟」を持てるかどうかが重要だと思います。

就職活動において売り手市場とは、「求人倍率」を基準に言われますね。2020卒学生の大卒求人倍率は1.83倍でした。これは、学生100人に対して183の求人があるということです。就職氷河期と呼ばれた時代はこの数字が0.99倍だったことからすると、学生一人当たりの求人は2倍近くあります。つまり、どこでもいいのであれば必ず就職先がある、という状態です。

ただ、この内訳をよく見てみると、従業員規模が1000人以上の会社は0.76倍、1000人未満の会社は3.34倍。
この数字から言えることは、売り手市場だからといって大手企業に入ることができるとという単純な構造ではないということです。実は、従業員規模が1000人以上の会社の大卒求人倍率は4年前の2016年卒が0.92倍と、今よりも高い数字。さらに、5000人以上の規模を見ると0.42倍です(前年より0.5ポイント増)。

つまり、質問の答えとしては、中小企業においては売り手市場だが、大手は今でもその逆、買い手市場です。中小企業の求人倍率が減り、大企業の求人倍率が増えているので、差は少しずつ縮まってきていますが、だからといって昨年よりびっくりするほど就職しやすくなったというわけではありません。(むしろ全体の求人倍率は下がっています。)簡単にデータを鵜呑みにするのではなく、その内訳や背景を自分なりの視点で考えてみてくださいね。

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結論!

売り手市場は事実だが、大手に入りやすいわけではない。
就職氷河期とは違った大変さがある!

☆今回の執筆者/里見 瑛梨奈(さとみ えりな)

新卒1年目(サトミって…?

愛媛県出身、医療系大学出身のリケジョ。

☆☆職サークル通信編集長/清水 真理(しみず まり)

福岡県出身、新卒で入社し現在7年目(シミズって…?

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