2024/03/21 UP
こんにちは。パフの田代です。
私は仕事柄、さまざまな企業で働く先輩社員の声をインタビューやアンケートなどで拾い、形にする仕事をしています。先日、某企業において、高校卒業後に就職した先輩たちに「就職」アンケートを取りました。その際、大卒者と着眼点の違いを改めて思い色々考えさせられたので、本日はその気づきから話を始めてみます。
「入社の決め手は何ですか?」
この質問に対し、先輩たちはこうアンケートに記載していました。
・高校の先生に勧められたから
・家の近くにあったから
・仕事内容に興味があったから
・大企業であり、福利厚生がしっかりしているから
・休日も多く、完全週休二日制だから
・工場見学でアットホームな雰囲気だったから
ここに記載されているのは、ほんの一部ですが、やはり高校生の就職活動には「学校の先生の紹介」や「勤務地の利便性」「企業ブランド」といった外発的動機が大卒者よりお多いと感じました。
とはいえ、無理もないですよね…多くの高校生は社会との接点も少なく、何が正しく、自分にフィットしているかも分かりません。ゆえに就職先を選択する「意思ある物差し」はほぼ皆無。信頼する大人の意見や分かりやすい指標を見て決めるしかないからです。
一方、大卒の先輩方はどうでしょうか。高卒者と変わらず外発的動機の物差しも見かけましたが「仕事内容」「一緒に働く社員との相性」「社風や会社のカルチャー」など、より一目で見て分かりにくい指標。いわゆるフィット感に関する声が多く挙がっているように感じました。
で、私は考えます。
「この違いって何なんだろう」と。
「大学って、どういう場所なんだろう」と。
私は「大学に行く意味」をこう思います。「学び」や「出会い」を通じて、人間的に成長できる経験を積むこと。その経験によって、自分の内側にある声や意思と真剣に向き合い内観する大切な時間を持つこと。
私自身、こんなことを最初から思って大学生活を過ごしていませんが笑、様々なバックグラウンドの先輩たちの声を目にすると、改めてこんな言葉が浮かびます。世間の、親の、誰かの物差しで生きるのではなく、自分の物差しを持つこと。この思考力と実行力を付けるのが大学生活なんだよなぁっと。
最近、大学生の就職先を決める進路相談のようなシチュエーションに立ち会うことがあります。企業選びをする際、何を大切にしているんだろう…と気にしながら話を聞いていると「休みの多さ」「初任給の高さ」「転勤の少なさ」「企業ブランド」などが多いことに衝撃を受けています。
もちろん、どれも大切ですし、無いよりあった方がいいに決まっている。でも、その指標に対する内観した声や意思が聞こえてこないのです。それって本当に自分の物差しなのかな。考えて考え抜いた究極の指標なのかな。検索すれば簡単に出てくる指標で、マッチングアプリのような感覚で見つけ、NGなら切り捨てればそれでいいのかな。就職って意外とカジュアル感覚だな、とか。
就職活動の意思決定に正解はありません。私自身、自分が納得していれば十分だと思います。ただ、この納得行為にどれだけ腹落ち感を持たせられるのか。これは自分の内側にある声や意思と真剣に向き合い内観するしかありません。
検索すれば何でも出てきますし、AIも助けてくれます。そんな時代だからこそ、考え行動することサボらない。こういう人間的な活動こそ重要だと思いますし、その時間的猶予を与えられている大学生の皆さんには、ぜひトライし続けてほしい。
そんなことを思う今日この頃です。