2021/12/16 UP
2018年4月。入社した途端、はじまった全国出張。
大阪でのお仕事を終え、お客様と訪れた就活カフェで
面接の練習をしていた学生からこのようなことを聞かれた。
「同期って、一言で表すとどんな存在ですか?」
言葉につまってしまった。
だって、一言で表すことなんか出来なかったから。
難しいなあ~、なんて先輩風をひとしきりふかせた後、
私はたしかこのような事を言ったと記憶している。
「親友でもありライバルでもある存在かな」
その後には、内定者の頃は何も考えずに仲良くできたのに、
入社してからはそれぞれの仕事の出来とか、色々な物差しで見られるから
変に意識してしまって距離が離れたように感じるけどね、となんてことない風に付け加えた。
その頃、彼は仕事に苦戦しているように見えた。
ある時は立ちながら、ある時は声を張りながら、毎日毎日まだ見ぬお客様に電話をかけていた。
苦しそうだな、と感じた。
一方で私は、内定者の時のそう多くはない経験から、要領よくコツを学んでいた。
苦しんで、苦しんで、苦しみぬいた彼からすれば、
多分私はつきぬけるための努力が足りなかったんだと、今なら理解できる。
その後、彼はめきめき力を発揮していった。
彼の執念めいた底力が、たしかに周囲に伝わっていた。
その年の年末には目標数字を達成していた彼を横目に、
なかなか思うように成果が振るわずやさぐれる私。
悔しい、なんであいつが。思うようにいかない自分がばかみたい。
ねたみ、そねみとボウルいっぱいにつめこんだかのような自信喪失の感情で頭の中がぐちゃぐちゃになった。
あれから3年の月日が経とうとしている。
お互い、相も変わらず気が利かず、不注意で他人に迷惑をかけてしまう部分もある。
でも、入社当初と比べて言えるのは、
少しは「彼のライバル」として、私も成長できたのではないかということ。
そして、あの頃の嫌な気持ちは消え去り、その代わりに
「同志」という、最強のパートナーであるということに対する絶対的な安心
を手に入れたのだ。
今の私にとって、
同期は、「『一緒にしないで』、でも『一緒でいたい』」存在。
差を見せつけてやりたい!という気持ちもあるけれど、
弱くなった時、つらくなった時に「あんなことあったよね」と経験を分かち合いたいと思う存在。
一言で表せない関係性、なんておもしろいだろう。
変わっていく感情もまた、おもしろい。
「同期とは」。
未来にどんな表現が思い浮かぶのか、楽しみだ。