12-01.「内定した」と「仕事ができる」は別の話(1)
「内定した」と「仕事ができる」は別の話。
学生時代の私はあまりにも未熟で、こんなことにも気づきませんでした。
この勘違いが治らないまま入社を迎えてしまうと、いろいろ問題が起きてし
まいます。
入社後も苦しまないで済むためにはどうすればよいのか。
株式会社パフの社員(2009年入社)の体験談を見てみましょう。
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働きたくない、サラリーマンになりたくない、世間知らず、やりたいことも
わからない。こんな私でも、内定をもらうことができた。
内定してからは、週3日ほどのペースで、パフのインターンとして働いた。
インターンと言っても、業務体験などではなく、普通の社員と同じ業務をや
っていた。
正直、インターンの時間は学校の授業よりも100倍楽しかった。
大学の友人たちは「まだ社会人になりたくない」「学生でいたい」「会社に
入ったら自由がなくなる」と言っていた。彼らは2009年4月1日が「ノスト
ラダムスが予言したこの世の終わり」であるかのように、遊びまくっていた。
僕にはそれが理解できなかった。「働く」ことが「つまらない義務」としか
感じられないのか。だとしたら、ものすごく不幸なことだと思った。
(正直に告白すると一方で、そんな学生生活を謳歌している彼らを内心うら
やましいと思っていた)
☆ ☆ ☆
仕事はいろいろやった。
当時パフが扱っていた就職媒体の取材でお客様の会社に訪問し、原稿を書く
という仕事もした。「内定者にやらせていいのか?」と内心思ったが、文字
を書くことは嫌いではなく、原稿の質が高いと褒められた。
職サークルのイベント運営補助や、採用アウトソーシング事業の事務補助な
どもやった。イベント運営も、PCを使った事務作業も、僅かではあるが経験
があったので、それなりにうまくこなしていたと思う。
当時はメインの営業手法であった「テレアポ」もやった。諸先輩が「初めて
やった時は1件もアポを取れなかった」「100件かけても1件とれるかどうか」
と言っていたが、なんと僕は初日でアポが取れてしまった。しかも、20件く
らいしかかけていない。
この程度で満足してはいけないと知りながらも「なんだ、こんなものか」と
思った。
☆ ☆ ☆
採用支援の会社にいると「就職活動の裏側」が見えてくる。人事の方とお話
しする機会も増える。「選考する側」の考えを詳しく知ることもできる。ま
た、仕事で知り合った人事の方に、新入社員が入社後陥りがちな落とし穴や、
気を付けておくべきことも教えてもらえた。
一般的な学生がなかなか知り得ないようなことを、仕事を通してたくさん学
ぶことができたのだ。
そして、インターンの経験は、僕の中に傲慢さを生んだ。
「他の学生より一足先に社会人デビューしている」という優越感。
そして「俺は仕事ができる」という勘違い。
これが、良くなかった。
(つづく)