2021/12/09 UP
こんにちは、職サークルの平原です。
就職支援の仕事について早17年目ですが、この2か月「やりたいこと」といキーワードで相当に議論と思考を重ねましたので、いったんまとめます。
・就活でやりたいことが見つからないで困っている方
・採用担当でどうやって学生のやりたいことを紐解いてあげればよいのかわからないで困っている方
のお役に立ちますように!
目次
1.「やりたいこと」が必要になる場面
2.「やりたいこと」ってそもそも何?必要?
3.「やりたいこと」の見つけ方
1.「やりたいこと」が必要になる場面
やりたいことがはっきりしていないと、こんな時に迷いが生じます。
・志望業界が絞れない!
「私は絶対に広告クリエイターになりたい!広告業界志望!」と声高に言っている友人を横目で見て・・・
私ヤバイかも・・・
・志望職種が絞れない
職種別採用の企業に応募する際「営業職」「カスタマーサクセス」「マーケティング」「管理」
と言われても、何がやりたいかなんてなんの意見も持てない。
私ヤバイかも・・・
・面接やエントリーシートで「志望動機」に自信が持てない
ウソは書いてないけれど、これが本当に私の「やりたいこと」だとは言えない。
私ヤバイかも・・・・
「広告クリエイター」のような明確なやりたいことが見つからず、就職活動の糸口を掴めずに
途方に暮れる方、不安の波に飲み込まれる方、非常に多いなと感じています。
確かに、明確にやりたいことがあった方が動きやすいですよね。
でもですね。採用側の視点に立ってみると「広告クリエイター」しか見えていない状態で、
他の業界や職種に全く目が向けられていない人は実は結構心配になるのです。
上手く進めばよいですが、残念なことに合う会社と出会えず、就職浪人をする方にも
しばしばお会いするからです。
2.「やりたいこと」ってそもそも何?必要?
この数か月、たくさんの学生、社会人、人事の方とやりたいことについてお話して見えてきた
「やりたいこと」の正体はこれらでした。
A:具体的な仕事・職種を指すもの
B:共感できる・意義を感じるバクっとした目的を指すもの
C:将来ありたい姿・そこに紐づく経験を指すもの
学生はAを持っていないといけないと思っているケースが多いですが、
人事が聞きたいものはAであることもあれば、B・Cでよいということも多かったです。
人事視点で言うと、それぞれこんなイメージでした。
A:具体的な仕事・職種を指すもの
・自社の仕事内容をしっかり理解して、興味を持ち、やりたいと思えているかを確認したい。
・「これだけしかやりたくない」というレベルを期待しているというよりも、正しく理解した
うえで前向きになれているか、面白そうだと思えているかを確認したい。
・自分の適性を理解したうえで、続けていくイメージを持ってているかを確認したい。
⇒「広告クリエイターになりたいです」でなくて全然OK
⇒「御社の営業の~~~~という側面が***という自分に合うと感じてやってみたいと思っている」でOK
志望動機って、「あなただけしか愛しません」という愛の告白とは違います。
なぜ、私が、あなたに興味を持っているか、を説明する文章です。
「一番」やりたいことかどうか自信が持てなかったとしても、その仕事をしっかり学んだうえで
面白い、自分に合いそう、やってみたいと思えているなら、堂々と話してください。
そのためには自分なりに仕事の研究や情報収集はしっかりやってね!
B:共感できる・意義を感じるバクっとした目的を指すもの
・誰かを笑顔にしたい
・世界から貧困をなくしたい
・地球温暖化を止めたい
・ねじ曲がった就職活動をよりよい方向に変えていきたい
・高度な技術社会の発展に貢献したい
⇒上っ面に聞こえますが、それ自体にあなたが深く共感したり、意義を感じるならこれでも全然OK
⇒企業に伝える時には、なぜ意義を感じるのか、あなたの原体験を見つけ出して語りましょう(コレ大事)
例)小学校の授業で先生からオゾン層破壊の話を聞いた時のショックがすごく大きかった
このまま何もせずにいたら、何世代か下の子供たちの社会はないのかと思うと恐ろしかった
大きな危機感と恐怖が胸にずっとあり、その解決に貢献したいという気持ちが育った
※これ、私、平原の実話です。大学時代はバイオサイエンスを専攻し、
就活ではバイオの技術を活かした環境保護の技術者になりたいと思っていました。
⇒逆に言うと、これくらい大きな目的で企業にコミットできるなら、具体的な仕事はなんでも頑張れる。
仕事の選り好みがなく、自分をモチベートできる、人事的には最高の人財です。
C:将来ありたい姿・そこに紐づく経験を指すもの
・愛する旦那と働きながら子育てできる人生が良い
・人から一目置かれる、必要とされる人でいたい
・とにかく一番になりたい
・自分のお葬式にはたくさんの人が集まり、泣きながら笑いながら自分のことを話してくれるような人生がいい
・彼氏が全国転勤ありの職種に就きそう。自分はどこへでもついていける(どこででも働ける)人材になりたい
⇒こんな将来像やなりたい社会人像でも全然OK
⇒そこからひも解くと、どんな環境やどんな経験が必要なのかが見えてきます。
⇒例えば、最後の彼氏が~の場合。つまり、手に職ですよね。今の社会で向こう30年必要とされる
手に職と言えば何が思い浮かびますか?
そう、ITエンジニアとかが分かりやすいですよね。
ITエンジニアは文系でも就職・成長できる環境が整った会社が多くあり、共通のスキルと
思考回路を用いるため、しっかりとスキルアップすれば転職も容易です。チームで働く仕事なので、
産育休をとっても戻りやすいですね。もちろん、営業職でも、販売職でも、人事でも。
しっかりスキルを伸ばせばたとえ転居しても再就職はできるはずです。
⇒なぜ働くのか?に立ち戻って考えてみることも、有効です!
3.「やりたいこと」の見つけ方
Aは、自分の強み・弱みや志向性と合うものを見つける、ということが大事なので
徹底的に自己分析。自分と合うかどうか、を言語化することが大事です。
やりたくないことをリストアップして消去法とし、この範囲はOK!を言語化するのも良い案です。
Bは、過去の原体験から、自分の根底にあるやりたいことを見つけるパターン。
実は胸の底にずっとあるあの経験、あの想い、ありませんか?
Cは、自分の将来に思いをはせること。どうなりたい?どうありたい?
あれ、全部自己分析じゃん・・・・!
就職活動でなぜ自己分析をやれ、と言われるのかが、分かってきますね。
そして、大事なこと。
やりたいことを見つけるためには、とにかくたくさんの仕事を見て回ること!!
知りもしないのにやりたいことなんて見つけられるわけがありません。
興味のあるなしに関係なく、いろいろな会社のインターンシップや説明会に参加しまくり
焦らず自分の「琴線に触れる」ものを探してみましょう。
ピンとくる、まで行かなくてもちょっと面白そう、と思うものを見つけることがゴールです。
まとめ
世の中にはすべてをやりたいことも言えずに就職活動ができるわけがない、と「べき論」で話す人もいます。
特に面接官は、自分のべき論を振りかざして学生にケチをつける人もいるかもしれません。
しかし、たくさんの社会人と話してみて、答えは1つではないと断言できます。
こうあらねばならないと思いこまずに、でも自分と自分の将来に向き合うことは大事にしてくださいね。