1-07.「正解を教えてほしい病」からの脱却
◆「正解を教えてほしい」病
「面接の最後では、質問をした方がよいですか?」
「やはり女性はパンツスーツよりスカートの方がよいですか?」
「面接が終わった後には、お礼のメールを送った方がよいですか?」
先日、職サークル参画企業の皆さんと就職活動生向けのイベントを行っていたときのことです。イベントの最後に「採用担当に何でも相談をしよう!」
というコーナーを設けたのですが、上記のような質問がたくさん出ました。
司会として状況を見ていた私は、「このままで良くないいな…」と思って聞いていました。何が良くないのでしょうか?
そうです!「正解を教えてほしい病」にかかってしまっているのです。
★「正解を教えてほしい病」とは ★ ~ ありませんか、こんなこと ~
・「~すべき」という「正解」があると思い込んでいる
・正解を相手から与えてもらうのを待っている
・自分はこうしたい!という意思が無い
・「~しなければならない」というルールにとらわれ、身動きできない
就職活動で厳しい現実を突きつけられたり、理不尽な思いをする中で、このような考えに陥ってしまう気持ちは、すごくよく分かります。ハッキリ言って私も学生のときはそうでした。
しかし、断言しますが、相手に迎合している人は企業にとって魅力的に映りません。
なぜなら、社会で仕事をすると「正解」などは無く、自分で考え、行動し、正解を創っていくことが求められるからです。
「ルールに従って言われた通りの行動をしてくれる人」をわざわざ大卒の正社員で、高い給料を払って採用したいという企業は、これからますます少なくなるでしょう。
◆想像してください
例えばの話。皆さんが、後輩に恋愛相談をされたと想像してください。
「最初のデートのディナーは、やっぱり高めのお店がよいですか?」
「告白するのは、男性からがよいですか?」
「誕生日にあまり高すぎるプレゼントは贈らないほうがよいですか?」
… こんな質問をしてきたら、どうでしょう。
正直「知らないよ、そんなこと!」と言いたくなるのではないでしょうか。
私だったら、最初の質問を聞かれた時点で「お前はどうしたいんだ!良いと思うことを好きにすればいいじゃん!」と言ってしまうと思います。
なぜ、そう思ってしまうのでしょうか。それは「万人受けする正解」は無く評価をする人(相手)によって答えが変わるからです。これは、就職活動も同じです。
・万人受けする「正解」は無い
・「私はこんな人間です」が伝われば、相手が自然と評価してくれる
・あなたは、相手の評価をコントロールすることはできない
・「私はこんな人間です」がうまく伝えられないのであれば、猛練習が必要
・あなたがよいと思ったことを、自分の信念に基づき、実践すればよい
・「企業に迎合」もダメだし「独善的」もダメ。両極端に陥らない「中庸」こそが大事
万人受けというのは狙ってもなかなかできるものではありません。無理して迎合せずとも、あなたを必要とする会社は必ずあります。
ただ、必要とされるためには己を磨く必要があります。それは「就職対策」とは全くベクトルの違うものであると思います。
また「自分を必要とする相手」は「自分が入りたい会社」とは違うこともあります。それでもいいのです。まずは現実を受け入れ、飛び込んでみないと。
それでも「オトナはどう思うのか聞いてみたい!」という時があるはずです。
そんな時は「私は●●という理由(考えor経験)から★★したいと思っているのですが、▲▲さんはどのように思いますか」と、自分の意見を加えてみてはいかがでしょうか。
これは「価値観の交換」であるため、相手から返ってくる言葉も「正解を教えてほしい病」の質問とは全く違ったものになるでしょう。