2021/02/19 UP
将来研究職に就きたいから大学院に進んだ、という方も多いのではないでしょうか?
自分自身もその考えをもって院進しました。
しかし、ある時ふと思いました。
「今の研究生活をイメージしたまま企業の研究職を志望しているけど、本当にそれで大丈夫なのだろうか?」と。
もしかしたら同じような疑問に至る人もいるのではないかと思い、参考になればと思い自分なりの調べた結果や考えを書いていこうかなと思います。
[大学の研究職]と[企業の研究職]
まず、「期間」が違うなということです。
大学での研究は
「短期間で成果が出ずとも、じっくり長年かけて成果を出す」
ということも多いと思います。これがいわゆる【基礎研究】という分類になることが多いですね。
一方で、企業の社員の方からは、
「期限が決まっており2,3年も成果が出なければ容赦なく打ち切られ次のテーマに移させられる」
という意見が多かったです。こちらはいわゆる【応用研究】という分類になることが多いですね。
ここには明確に差があると感じましたし、なんとなく企業就職しようと思っていても、じっくり進める研究の方が好きという方は、改めて考え直す必要があると思います。
次に「関わるレイヤー」が違うなという事です。
大学での研究は、自分で実験系を組み、自ら手を動かし成果を出すという流れが一般的かなと思います。
一方で企業であれば、方針や実験系を組むところまでで、測定等実際に手を動かす作業は、派遣のような人がやってくれる場合もあるという事です。実際にアウトソーシング系の会社で企業や研究機関に対して研究人材を派遣する事業を行っている会社もありますし、その職の新卒採用もあります。
自分で1から100までやりたい、やらなきゃ気が済まないとい方は、実は企業の研究職は向いていないかもしれません。
また、総合職として採用されている以上、企業では研究以外の業務も行う必要があるそうです。週次の会議や日報、書類業務等々、常に研究の事だけやればいいという会社はあまり耳にしませんでした…(もちろん、なるべく研究に集中できるようには計らってもらえるみたいですが)。かつ、こういった業務は年次を重ねる、出世をするほどに研究以外の業務が占める割合は多くなる傾向がありそうです。当然と言えば当然ですけどね!
やはり、企業である以上「利益」というものは切り離せません。より成果に対してシビアに、かつ期限に追われながらの生活になることは間違いなさそうです。そして、いずれは研究から離れた業務になる事も想定されます。
一方で、意外と休憩とかは緩く、煮詰まったからちょっと10分くらい休憩しよう、みたいなことは緩かったりと、大学での研究に近い部分も感じ取れました。
私自身は、性格上期限に追われた方がパフォーマンスを発揮しやすく、具体的な商材を扱い社会に影響を与えたい、そして将来的には研究を離れマネジメント等にも携わりたいという希望があったため、企業への就職を決意しました。
皆さんも改めて、企業に就職することが本当に最善の選択なのか再考してみてもいいのではないかなと思います。意外と大学研究職の方が…と気づくかもしれません。逆に企業に就職する確固たる決意が生まれるかもしれません。
今回の記事はこんなところで締めようと思います。世の中には沢山の選択肢があります。窮屈で狭い視点ではもったいないので、たまには一息ついて広い視野から色々な選択肢を見つめてみるのも大事だなと思います。この記事がそんなきっかにでもなれば幸いです!ではまた次回!
☆☆バックナンバーはこちら!
理系の就活の落とし穴【理系のハテナ #1】
理系の強みってなんだろう【理系のハテナ #2】
専門分野就職と専門外就職 <第一話> 【理系のハテナ #3】
専門分野就職と専門外就職<第二話>【理系のハテナ #4】
専門分野就職と専門外就職 <最終話>【理系のハテナ #5】
☆あとがき
このコラムでは理系×就活に関すること全般を綴っていきたいと思います。
その中でも特に皆が「?」と思う事や、
「?」となってないけど実は「?」な部分について触れていきます。
自分が就活中に考えていた事、就活に対して何をしたか、
本音を交えながら伝えられたらなと思います。