職サークル

内定が出る12のヒミツ

3-01.就職氷河期のウソ

「就職活動の問題」について皆さんと一緒に考えてきたいと思います。
「なぜ、就職活動について不安を感じるのか?」
それは、初めて就職活動をする皆さんには、どうしても就職活動のリアル(真実・本当の問題)が見えにくいからです。

思い出してください。
初めて大学のキャンパスに足を踏み入れたとき…
初めてひとり暮らしを始めたとき…
初めて留学し、ひとりで海外に行ったとき…

不安でしたよね。私もそうでした。でも今は、特別な不安はないはず。
そうなんです。知らないことに対する不安は、知ることで解消できます。


【「就職氷河期」にだまされるな】
現在、就職活動中の皆さんの一番の不安は、「就職できないかも」という漠然とした不安ではないでしょうか。
巷では「就職氷河期」という言葉をよく耳にしますし、就職活動で苦戦している先輩の姿を見て、不安になるのは当然です。

しかし…「就職氷河期」という言葉…アレはウソです。

リクルートワークス研究所の調査によると、皆さんの先輩にあたる2013年度新卒入社の有効求人倍率は、1.27倍でした。
ちなみに、本当の就職氷河期と言われた2000年度入社は0.99倍という数値でした。

つまり、2013年度では、学生100人に対して、127もの求人(就職先)があったわけです。一方、2000年度は学生100人に対して、99しか求人(就職先)がないという計算です。
学生1人に対して、1つ以上就職先があるのに「就職氷河期」っていうのは少しおかしくないでしょうか。

さらに、別の統計を見ると「2012年度の大卒者の就職率は93.6%(2012年4月)」であると出ています。

???

こりゃ、おかしい!

そうです。

「就職先がないから、就職できない」のではなく、「就職先はあるのに、就職しない&できない」ということが問題の本質であるということです。

では、何が原因なのでしょうか。企業、学生の皆さん、それぞれに原因がありますが、学生の皆さん側の大きな要因は「需要と供給のアンバランス」だと私は考えています。

その根底にあるのは【大手、有名企業へ就職しなければならないという幻想】です。

求人倍率が1.27というのは、先ほどお伝えした通りです。
つまり、就職を希望する方全てが、いずれかの企業に就職できるだけの求人があるということですね。

次に、以下のデータに注目してください。

・大手企業(従業員5000人以上)の求人倍率は0.60倍
・中小企業(従業員 300人未満)の求人倍率は3.27倍

つまり、大手企業には、就職希望者が集中して、その分、入社できない人も多い。
逆に、中小企業では求人の数に対して、応募者が足りない、ということです。
つまり、「大卒者の就職率は93.6%」というのは、大手企業ばかりを受けて、内定が出ず、就職活動をあきらめてしまった。
あるいは、大手企業でなければ入社したくない、という思いを捨てきれず、「就職しない」という選択肢をとった。…ということが言えそうです。

どうして、大手企業に学生が集中するのでしょうか。
「大手に就職する方が良くて、中小企業に就職するのはダメ」なのでしょうか。

大手企業、中小企業に勤める方に、それぞれインタビューをしてみるのも良いかもしれませんね。
対象者は、大学の就職課で見つけるも、親戚をあたるも、誰でもよいと思います。社会人との対話からしか得られない、新しい発見があるはずです。

さて、「就職氷河期のリアル」を皆さんにお伝えしました。
あなたは、この事実をどのように解釈し、どのように行動しますか。

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