職サークル

内定が出る12のヒミツ

02.やりたいことを無理やり作って入社したら、やりたいことができませんでした

『就活エリートの迷走』という本があります。
(ちくま新書・著者:豊田義博・筑摩書房より出版)

就職活動を終えた人も、就職活動を続けている人もぜひ一度手にとっていただきたい本です。忙しい人のために、要約すると以下の通りです。


【就職活動で「エリート」と呼ばれた人々が、入社後に苦しんでいる】

・学生は、就職活動が始まると「やりたいことを明確にしないと内定がもらえない!」と周囲の大人から言われる。
・そこで学生は、必死にやりたいことを考えるが、実際に働いたことがないため、現実感を持って「やりたいこと」を考えるのは難しい。
・しかし、人気企業の内定を得るためには「やりたいこと」を明確に言えないといけない。そこで、イメージにイメージを重ねて、現実の仕事内容とかけ離れた「やりたいこと」を作り上げる。
・「やりたいこと」を練り上げて、大人と気持ちよいコミュニケーションがとれる人は、企業から評価されやすく、内定をもらえる。
・内定をもらった学生は、自分の「やりたいこと」が承認されたと思いこんでしまう。
・しかし、総合職採用というのは、往々にして配属する部署も自分では決められないし、配属後従事する業務も部署の管理者次第であり、自分に選択権は無い。(希望は考慮されるが、決定権は自分に無い)
・入社前に考えていた「やりたいこと」は、新入社員の能力・経験ではつとまらないものが多く、入社後すぐ従事する仕事というのは、細分化された作業だったり、地道な仕事だったりする。
・また、学生時代に考えた「やりたいこと」は現実の業務とかけ離れていたり、実はその仕事に隠れている泥臭い部分が考慮されていなかったりする。
・結果、入社後「やりたいこと」ができない。モチベーションが下がる。
・憧れて入ったはずの企業を、入社後3年で約3割が去っていく。


つまり、就職活動で「やりたいことを明確にしろ!」と言われたから、一生懸命考えて、せっかく内定、入社までこぎつけたのに、実は「やりたいこと」がすぐにはできず、苦しんでしまう若手社員が多いということです。


「そんなこと言ったって、じゃあどうすればいいんだ!」という話ですが、「やりたい仕事ができるかどうか」という以外の面も見てから会社を選ぶということをお勧めします。

例えば「企業理念や会社の価値観、社風が合うか」というのも大事かもしれません。たとえやりたいと思っていた仕事に就けなかったり、やりたいと思っていた仕事への適性や能力が自分にないということになっても、会社の風土や価値観が合っていれば、踏ん張ることができるかもしれません。そして、踏ん張っているうちに、最初から「やりたいこと」ではなかった仕事でも、ハマれるものが見つかるかもしれません。

やりたい仕事もできて、社風も合っていて、待遇もよい…そんな会社があればよいのですが、そもそもあなた自身ではない、他の誰かが作った会社なので、そんな都合のいい会社はそうそう存在しないと考えるべきでしょう。そういう会社でなければダメだというなら、自分で会社を作るべきです。組織に入るという選択をした以上、選り好みばかりしていては話になりません。

また、その仕事が本当に向いているかも分からないのに「やりたい仕事」に就けるかどうかという軸だけで入社してしまうのはリスクが高い気がします。
「やりたいことができる会社か」という事業内容ありきの会社選びではなく、自分に合いそうな社風は?どのような価値観を持った人たちと働きたいのか?など、多面的に会社を見てみると、選考を受ける会社の顔ぶれも、選考の結果も変わってくるのではないでしょうか。

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