11-08.自分の決断を、両親に反対されたら
学生は「この会社で頑張ろう!」と意思決定しているのに、両親の反対で、
決意が揺らぐ…
こういうことを、驚くほどよく聞く。
入社する会社を決めたのに、両親(或いは親戚や教授など周囲の人)に反対
されたらどうするか。
株式会社パフの社員(2009年入社)が両親に反対された時の体験談をもとに、お
話します。
※コラム「納得して意思決定をするためのステップ」の続きです。
パフの入社を決意し、他社の選考は全て辞退。ハラをくくった僕だったが、
両親に報告したところ、まさかの猛反発。
就職活動の最終ボスを倒したと思ったのだが、さらにその後ろから、真のボス
「両親があらわれた!」という感じである。
☆ ☆ ☆
反対された直後は、理解してもらえないショックと怒りとでかなり感情的に
なってしまったが、冷静に整理してみよう。
両親の気持ちになってみると、以下のような感じである。
・僕はずっと「これといって将来やりたい仕事はない」と両親に言い続けて
きた。
・ただ、外国語を勉強していたし、留学していたこともあり「海外と関わる
ような仕事がしてみたい」と漠然と考えていたし、両親にも伝えていた。
・両親は、わざわざ東京の大学にまで行かせたのだし「世間的にいい」会社
に入ってほしいと(口で言わないまでも)思っていたはずだ。
・また、父親は務めていた会社が倒産したこともある(「とうさんの会社が
とうさん」を僕はリアルに体験している)し、そのせいで母親も苦労した
はずだ。同じ苦労を我が子にはさせたくないと思っているだろう。
・そこに、突然我が子が「社員20名くらいの吹けば飛ぶような人材会社に入
る」と、何の前触れもなく突然言ってきたわけだ。しかも海外とは全く関
係がない。これまでの行動とまったく一貫性がないわけだ。
こりゃ、僕が親でも反対する(笑)。
いや、もっと正確に言うと「本当に真剣に考えているのか?」「調子のいい
ことを言う会社にだまされているのではないか?」と心配になるだろう。
そうだ、心配になっているだけなのだ。
☆ ☆ ☆
そう思ってからは、非常にシンプルだった。
「自分の中では、ちゃんと明確な理由があるから、心配しなくていい」とい
う事を伝えればいいのだ。
両親と東京―広島間でスカイプをつなぎ、家族会議を行い「なぜこの会社が
いいと思っているのか」をしっかり説明し「ちゃんと考えたうえでの決断な
ので、理解して、応援してほしい」ということを伝えた。
すると「あんたがそこまで言うんじゃったら、思うようにしんさい」とあっ
さり納得してもらえた。
もっときつく反対されると思っていたので、肩透かしを食らったような気分
だ。
しかし、よく考えてみれば当たり前である。
僕の両親は、自分の信じた我が子の決めたことに、根本から反対するような
人間ではない。
ただ、我が子が心配だからこそ、我が子の決断の本気度が気になるのだ。
それだけだ。
こうして、就職活動の「裏ボス」はめでたく味方になったのであった。
☆ ☆ ☆
【就職活動で両親に反対されたら】
多くの場合、両親は、あなたの決意を否定しているのではない。
ただ心配しているだけなのだ。「その決意は本物なのか?」と。
ただ不安なだけなのだ。「我が子に苦労はしてほしくない」と。
まず「両親の反対にあったとしても、自分はこの会社で働きたいのか」とい
うことを自問自答する。
その答えが“YES”であるならば、大事なのは下記の2つ。
◆両親の話を【徹底的に】聞く
・なぜ反対なのか
・どんな点が、なぜ不安に感じるのか
・どうすれば納得(安心)できるのか
◆自分の思いも【徹底的に】伝える
・どういう判断基準で会社選びをしていたのか
・なぜこの会社に決めたのか
この2つをおろそかにして、お互い感情的になってしまうと、
話があらぬ方向に向ってしまう。
☆ ☆ ☆
さらに大事なことが、もう2つ。
◆自分でハラをくくる
両親に反対されたくらいで折れる決意なら、それは大した決意ではない。
「誰がなんと言おうとやる」とハラをくくるのが大事。「万が一結果的にダ
メになっても、まあ何とかなるだろう」という楽観的な考えも大事。
◆両親に【自分の応援者になってほしい】と伝える
そうは言っても、両親に自分の決意を認めてもらえないというのはつらい。
いくら自分の信じる道を進むべきとはいえ、両親の理解・応援が得られなけ
れば、わだかまりも残ってしまう。
「あなたたちには、僕の最大の応援者になってほしい」
ということを、ストレートに伝えよう。
両親の不安を取り除いてあげれば、応援者になってもらえるのだ。
いかがでしたでしょうか。
もしあなたが就職先を両親に反対された際、このコラムが参考になればと思い
ます。