11-09.「内定の数=勲章」ではない
今回は「内定の数=勲章」ではないというお話をしようと思います。
自分の話で恐縮ですが、私自身、内定は1社のみでした。そして、その会社
に入社しました。それが今所属している株式会社パフでした。当社から内定
をもらう前後で、他の会社は、最終面接前に選考辞退しました。選考を受け
ていく中で「何か違うな」と感じ「仮に内定が出ても入社しないだろうな」
と思ったからです。
私は世間知らずで、最初は社会見学気分で色々な社会人に会うために、色々
な会社にエントリーをしましたが、結局いざ選考となると、本気度の低い会
社の志望動機を「作る」のが苦痛で、数社しか選考は受けませんでした。
今とは違い、学生にとって就職しやすい「売り手」時代だからこんなことが
できたのかな…いや、今もそういう人がきっといると思います。
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「複数の会社を併願するのが当たり前だから、内定が複数出ることもある」
というのは理解できます。私も複数の企業を同時に受けていました。ただ、
「内定をもらっていながら、態度を保留し、決断しない」というのは違うの
ではないか、という事を言いたいのです。
「そんなの個人の自由だろ…」という人もいるかも知れません。しかし、も
う少し聞いてください。その「自由」の主張が、他人に迷惑をかけることも
あるのです。先週、こんなことがありました。
某準大手企業の採用支援をしていたときのことです。この企業が、内定の通
知を開始しました。しかし、内定を出した人はすべて他社の内定を持ってい
る方たちでした。中には「すでに4社から内定をもらった」という人もいま
した。
人事担当者の方が彼らに「どの会社に行くのか?」と聞いてみたところ「ま
だ分かりません」という、内定承諾とも辞退とも取れない回答ばかりでした。
「いつ決断するのか?」「当社に入社する意思はあるのか?」という趣旨の
質問をしても、答えは「分かりません」でした。
この企業では昨年、同時期に内定を出した人の半数以上が、数ヶ月態度を保
留にし「第一志望に受かったので」「他の会社に行きます」と辞退をしてい
ったそうです。
人事担当者の方は悩んでいます。
・今の内定者が全員承諾すれば、採用枠はいっぱいになる。
・その可能性があるなら、これから最終選考を受けている人に対して不合格
を通知したり、選考結果を保留しなくてはいけない状態になってしまう。
・とはいえ、内定者が悩むのも分かるので「今すぐ決めろ」とは言えない…
でも、いつまで待てばいいのだろう…
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皆さんはどう思いますか?皆さんにはもちろん、会社を選ぶ権利があります。
しかし、その権利を主張して、他人に迷惑をかけてもいいかというと、そう
ではないはずです。
皆さんの周りで「内定を沢山とる」ことが目的になっている人がいたら、是
非、このように語りかけてみてください。
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◆今、私にできること◆
・その会社、本当に入りたい会社ですか?
・落ちた人、選考結果待ちの人の気持ちになって、考えよう
・入社意思がないのに、内定を保持することはやめよう
・結論を先延ばしにせず、自分で考え、決断しよう
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もちろん、この問題に関しては学生側だけでなく、企業側にも誠実な対応を
求められています。理想は「その会社に本当に入る覚悟を持つ人だけが、内
定する」「本当に自分を必要とする企業から声がかかる」ことだと思います。